ごみ屋敷になってしまった実家は、家族や近隣におおきなリスクをもたらすことがあります。
この記事では、ごみ屋敷化した実家というテーマに焦点を当て、ごみ屋敷の定義や放置することによるリスク、そして実家がごみ屋敷になる理由について解説します。

さらに、ごみ屋敷化した実家をどのように解決すべきかについても検討します。

実家がごみ屋敷に!ごみ屋敷のリスクや理由、対応策についてまとめます。

ごみ屋敷とは

ごみ屋敷とは、住宅や住宅の敷地内に大量の物品がため込まれ、本人や地域住民の生活に悪影響を及ぼす管理不全な状態の住宅のことです。
単に物が多いという状態ではごみ屋敷とまでは言えません。
放置された物品が崩落したり、流出または飛散しているような状態で管理が行き届いていないのが明らかな状態の住居が、ごみ屋敷とみなされます。

ごみ屋敷を放置するリスク

ごみ屋敷を放置するとどのようなリスクが発生するのでしょうか。
ここでは5つのリスクについて解説します。

火災発生のリスク

ごみ屋敷で最も警戒しなければならないのは火災発生のリスクです。
火災が発生したとき、室内に散乱する大量の段ボールやプラスチックごみは火災の規模を大きくしてしまいます。
住人が喫煙者であれば、タバコの火からそういった物に燃え移るかもしれません。

また、ストーブなどの暖房器具が地震などで倒れると、室内のごみに燃え移って火災となるかもしれません。
家が火事になると近隣の住宅にも延焼する恐れがあります。

健康被害のリスク

ごみ屋敷には健康被害のリスクがあります。
たとえば、生ごみがたまってしまうと、細菌やウイルスといった病気の原因となるものが増加するため、感染症にかかる可能性やアレルギーを引き起こす可能性が高まります。

室内に大量のほこりがたまると、それが原因でカビが発生し、さらに病気につながる可能性があります。
実家に住んでいるのは高齢となった両親が多く、彼らは若者に比べると免疫力が低いため、こうした病気やアレルギーの症状が悪化するかもしれません。

害虫・害獣のリスク

ごみの中には害虫や害獣を引き寄せてしまうものがあります。
生ごみに代表される食べかすはもちろんですが、段ボールも虫の繁殖に適しているため、害虫の温床となってしまいます。
害虫は不快であるだけではなく、住人に健康被害をもたらします。
ハエや蚊、ダニなどは感染症の原因となる細菌やウイルスを媒介するため非常に危険です。

そうした害虫を駆除するにはごみ屋敷を片づけるしかありません。
ごみ屋敷に出没する害獣の中でも要注意なのがネズミです。
ネズミは数々の病気を媒介するほか、フンや尿で害虫を引き寄せたり、悪臭を放ったり、住宅そのものを破壊したりするからです。
もちろん、住宅の食べ物も食い散らかされてしまいます。

人間関係悪化のリスク

住宅がごみ屋敷化すると、近隣住民とトラブルになります。
それだけではなく、家族・親族との関係も疎遠になり、周囲から完全に孤立してしまいます。
人間関係が疎遠になった結果、その寂しさを紛らわせるためにさらにごみをため込むような悪循環も見られます。

実家がごみ屋敷になる理由

「久々に帰省してみたら、実家が見る影もないほど荒れ果てたごみ屋敷となっていた」
そのような悩みを耳にしたことがあります。
どうして、そのようなことが起きるのでしょうか。実家がごみ屋敷になる原因に迫ります。

親の体力が低下したから

高齢になると、家の掃除や片付けがとても大変になります。
荷物を持ち上げることはもちろんのこと、自分自身の移動でも苦労することがあるほどです。
特に定年退職後に家から出ないような生活が続くと、体力も気力も衰えてしまいがちです。
そうこうするうちに、片付けそのものがおっくうになって、住宅がごみ屋敷化してしまうケースが多数見られます。

孤独感を埋め合わせたいから

子どもの自立や定年退職によって社会から切り離されたように感じる人は、孤独感を感じやすい状態にあります。
一人寂しく実家で過ごすうち、それを紛らわせるため、物を増やして孤独感を埋め合わせている可能性があるのです。

物が捨てられない

人によっては、物を捨てることを「もったいない」と考えてしまい、中々捨てられないことがあります。「取っておけばいつか使える」と考え、なかなか物を捨てないことから、いつの間にか物が管理できないほど増えてしまいごみ屋敷化するケースがあります。
また、物の整頓が上手くできず、ため込んでしまうケースもあります。

ごみ屋敷化した実家はどうすればいい?

ごみ屋敷となった実家を片付けるには、実家に住んでいる両親に片づけることを納得してもらわなければなりません。そのために大事なのが親の価値観や考え方を尊重することです。

子どもから見て無意味なものでも、親にとってはかけがえのないものなのかもしれません。あからさまに否定することも、感情的対立を引き起こし、ごみ屋敷をさらに悪化させるかもしれません。
もし、両親が片づけることを拒んだら、しつこくせずに、自分の部屋やトイレなど、両親のいつも使っている場所から遠い場所から順番に、片付けをすすめましょう。

まとめ

今回は実家がごみ屋敷になるリスクや原因、ごみ屋敷化した実家をどうするべきかなどについてまとめました。
実家の片づけは、ともすれば親子喧嘩の元になりかねない話題であり、なかなか、手を付けたくない問題かもしれません。

しかし、放置すれば火災や住民トラブルなどの原因となり、下手をすれば両親の命に関わる事態を引き起こす可能性があります。
慎重に話し合いをしながら、親の納得のいく方法で実家の片付けをすすめるのが良いのではないでしょうか。