少子高齢化や核家族化の影響で生前整理の必要性はますます高まってきています。
生前整理を専門とする業者も増えつつあります。
ところで遺品整理を業者にまかせずに、自分自身で行うことも可能です。
この記事では、自分で遺品整理を安全・快適に行うための方法や、手順を解説します。
遺品整理を自分で行うメリット・デメリット
業者に依頼せずに自分で遺品整理を行うことのメリットは以下のとおりです。
・費用がかからない
・業者を選定する必要がない
一方、デメリットは以下のものがあります。
・費用がかかる
・大切な遺品を見ず知らずの人に触らせてしまう
自分で遺品整理をするため用意するもの
自分で遺品整理をするためには、以下のものを用意する必要があります。
① ダンボール・フェルトペン
必要なものと不要なものを分けて、それぞれを段ボール箱に入れます。
段ボール箱の側面にフェルトペンで「必要」「不要」などと書き、後で見直すことできるようにしておきます。
② ドライバ―・はさみ・ペンチ
基本的に作業に使う道具として、本棚やカラーボックスなどを分解するための工具を用意します。
解体作業時は音が出るので、深夜や早朝は作業をしないようにしましょう。
③ ごみ袋
遺品の整理にともなって、大量のゴミが出ます。
ごみ袋も大量に用意しておく必要があるでしょう。
ゴミは自治体の指示に従って、可燃ごみや不燃ごみ、資源ごみ、粗大ごみなどに分類します。
➃ 手袋・マスク・スリッパ・作業服
作業中はホコリやカビなどの汚れを避けるため、汚れてもよい服装やマスク、手袋、スリッパを着用しましょう。
⓹ 台車
遺品を搬出する時に台車を使うと楽です。
台車はガラガラと音が出るので、夜遅くの作業は控えましょう。
遺品整理の開始時期
遺品整理をいつから始めればよいのでしょうか。
遺品整理を開始する時期は、基本的に遺族によって決められます。
故人が亡くなってから悲しみがいえるまで2~3年待つこともありますし、
賃貸に入居していた場合は早急に遺品整理を行わなければならないでしょう。
一般的には、四十九日法要を終えてから、開始するケースが多いようです。
気持ちの区切りをつける意味でも、遺族の納得のいく時期に開始するのが一番でしょう。
遺品整理の手順
遺品整理の手順は以下の順番で行うのがおすすめです。
1.不用品の仕分け
必要なものと不要なものを識別します。
必要なものは、以下のものです。
① 財産・重要書類
・現金
・預金通帳
・印鑑
・クレジットカード
・有価証券(株券、債券、手形、小切手など)
・権利書関係
・身分証明書(パスポート、マイナンバーカード、運転免許証など)
・健康保険証
・契約書類(賃貸契約書など)
・貴重品(指輪など)
② 形見となる品
・写真
・手紙
不用なものは、後で再チェックができるようにしておきましょう。
2.リサイクル等ができるもののピックアップ
リサイクルショップなどで売ることができるものを抽出します。
リサイクルできるもの
・4品目の家電(冷蔵庫、テレビ、エアコン、洗濯機)
・一般家電(パソコン、電気コンロ、カメラ、携帯電話、ドライヤー、電子レンジなど)
・洋服
・家具(ベッド、机、椅子、ソファーなど)
3.ゴミの分別
リサイクルができないものは粗大ごみや、燃えないごみ、燃えるごみ
などに分別して、処分します。
自治体によっては土やブロックも回収してもらえるところがあるので、ホームページなどでチェックしておきましょう。
ごみの分別の例
・可燃ごみ(生ゴミ、衣類、紙くずなど)
・不燃ごみ(金属、ガラス、陶器など)
・資源ごみ(ペットボトル、ビン、缶、新聞・雑誌など)
・粗大ごみ(大型家具など)
※自治体によって回収可能:ブロック、土、石
電化製品などは、購入した店舗で引き取りができる場合があります。
あるいは、不用品回収業者に引き取ってもらう方法も可能です。
遺品の状態がよい場合、有償で買い取ってもらえる可能性もあります。
4.ごみを処分する
自治体で決められた日時にごみを出すようにしましょう。
5.掃除する
賃貸住宅の場合は原状回復義務があります。
洗剤や薬剤を使う際は、注意書きをよく読み、換気をよくして行うようにしましょう。
廃棄以外の処分方法
ごみとして処分したり、不用品回収業者に引き取ってもらったりする以外にも、遺品を処分する方法があります。
① お焚き上げ
遺品の中には、とっておくまでもないけど、廃棄するのにしのびないという遺品もあるでしょう。
そういったものは、寺院などで、お焚き上げをして供養できます。
お寺で供養してもらえば、遺族の精神的負担も軽くなるでしょう。
なお、お焚き上げができないもの、(ビニール・プラスチック製品など)
があるので事前確認が必要です。
② 売却する
書籍やCD、衣類はリサイクルショップやフリマアプリで売ることができます。
量が多い場合は出張買取りも可能ですし、数が少ない場合はオークションにかけることもできます。
③ 施設に寄付をする
車いすや電動ベッド、紙おむつといった介護用品は施設に寄付ができます。
まとめ
自分で遺品整理を行う場合は、必要な道具をそろえて、正しい手順に従って行うことが大切です。
故人との大切な思い出を上手に整理して、悔いを残さないようにしたいものですね。
しかし、年齢や体力的な理由などで、どうしても自分で遺品整理を行うことが難しい場合や、時間と手間をはぶきたい場合もあるでしょう。
そうした場合は、けっして無理をせず専門の事業者にまかせるのも1つの方法です。