最近は高齢化や核家族化の影響で、誰にもみとられずに死んでいく孤独死が増えてきています。
孤独死の現場の多くは、特殊清掃という原状回復作業が必要です。
この記事では、特殊清掃の概要、特殊清掃であったほうがよい資格と免許などについて解説します。
ぜひ、ご参考にしてください。
特殊清掃とは
特殊清掃とは、ゴミ屋敷や、病気などによる孤独死、事件・事故などが原因でひどい状態となった部屋を原状復帰させる清掃業務のことです。
このような部屋は、遺体の腐乱が激しいため、まずは、消臭や除菌から始めなければなりません。
特殊清掃が遅くなれば遅くなるほど、汚れも複雑で広範囲になります。
その結果、壁や床のリフォーム業者や害虫駆除業者と連携して作業を行ったり、遺品整理や不用品の処分をしたりしなければならなくなるでしょう。
あったほうがよい資格
特殊清掃を行うにあたって必要とされる資格は、実はありません。
しかし特殊清掃には、汚れや臭いに対する知識や、豊富な経験が重要です。
特殊清掃を行うにあたり、持っている方がよいとされる資格や免許があります。
1.普通自動車運転免許
清掃機材や薬剤の運搬のためにも必要で、すぐにでも依頼者の所へ移動可能です。
2.事件現場特殊清掃士
薬剤や脱臭の安全な処理方法、スタッフの安全を守るための感染症対策、清掃士としての心構えなどをマスターしています。
日本では、資格所有者はまだ2,000名程度です。
3.遺品整理士
廃棄物関連の法律やその必要性、スムーズに進めるための方法、遺品整理士としての気構えなどをマスターしています。
4.古物商許可
古物営業法に規定される「古物」の売買や交換ができる個人や法人のことです。
この許可があれば高価な遺品の買い取りが可能です。
5.遺品査定士
不用品の正しい価格を判断できるスタッフの所属する業者であれば、よりスムーズな遺品の買取や整理ができます。
専門機材や薬剤が必要
また特殊清掃をするには、高価な専門の機器や薬剤が必要です。
それぞれを解説しましょう。
1.オゾン脱臭機
特にイスラエルで軍事技術の開発のため作成された、カイコーポレーションの黄色いオゾン脱臭機が有名です。
高級ホテルや火災現場の復旧などでもよく利用されています。
高性能な脱臭機を持つ特殊清掃業者は、優良な業者であると言えるでしょう。
2.消臭のための専門の薬剤
特殊清掃では、通常の清掃では落とせないひどい汚れや臭いを除去するために、専門の薬剤が使用されています。
代表的な消毒・消臭剤をご紹介しましょう。
① 加速化過酸化水素
従来の過酸化水素の除菌スピードを高め、菌やウイルスなど、消毒が難しいものにも有効です。
② 二酸化塩素水
カビやウイルス、菌などに有効で、殺菌力がとても強く、塩素の2.6倍の効果があります。
③ 次亜塩素酸水
毒性の強い芽胞菌を不活化させる力があるため、ほとんど全てのウイルス・細菌に有効です。
これらの薬剤は市販されてはおらず、専門業者でないと取り扱えないものがほとんどです。
あるいは、既存の薬剤に独自に添加物を加えて効果を高めている場合もあります。
事件現場特殊清掃士の業務内容
孤独死などの事件現場の消臭・除菌、腐敗物の除去、感染予防、害虫駆除といった作業を、部屋の状況に応じて行うのが「事件現場特殊清掃士」の業務です。
状況によっては、想定よりも深刻で、かつ広範囲であることもあるでしょう。
また。目に見える所だけでなく、見えない所まで対応する必要もあります。
清掃作業のみならず、遺品整理や不用品の買い取りや処分なども同時に行ってもらえる業者も最近は多くなってきました。
優良な特殊清掃業者を選定のポイント
愛する故人の遺品整理は、いい加減な業者や悪徳業者に依頼したくないものです。
また出費をできるだけ抑えることができれば、なおありがたいことでしょう。
遺品整理業者選定の3つのポイントをご説明します。
1.見積価格が安いこと
複数の業者から一括見積を取得して、比較検討すれば、最も安い業者がわかります。
また、見積は無料であり、追加料金が一切ないところにしましょう。
遺品の高価買取やリサイクルができれば、さらに値引きが可能です。
2.安心して利用できる仕組みがあること
たとえば、個人情報をしっかり守ることができる企業でなければなりません。
また、無料で専門アドバイザーに相談ができることも大切です。
さらに、遺品整理士の資格をもつ社員が所属していることもポイントの1つでしょう。
3.口コミで評判の良い業者であること
作業後の口コミアンケートなどを参照して、評判のよい業者であるか、悪評がないかなどをチェックしましょう。
まとめ
特殊清掃は、遺族にかわって、孤独死などの過酷な現場を、原状回復させる専門的な清掃業です。
できるだけ安い料金で契約したいのが、普通の人の考えることでしょう。
しかし、料金の安さばかりに気をとられると、悪徳業者による遺品の違法投棄や料金のトラブルなどを招いてしまうかもしれません。
特殊清掃業者を選ぶ際のその他のポイントとしては、安心して以来できる仕組みがあることや、口コミの評判がよいことなどがあります。
具体的には、事件現場特殊清掃士や遺品整理士などの資格をもつ社員が所属していることも、優秀な業者を選ぶ際の1つの基準となるでしょう。